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2008年8月11日 (月)

与えられた試練

谷亮子選手。
今回は銅メダルだった。
田村で金、谷でも金、ママでも金、
そう言っていた彼女・・・。

イベントの仕事をしていると、
めったに逢えない人に逢うことが出来る。
12年前、アトランタオリンピックの直前に、
私は仕事で田村亮子選手とご一緒したことがある。
そのとき彼女はまだ大学生だった。

16歳で、初めてのオリンピック出場、
初めてのバルセロナで彼女は銀メダルを受賞した。
20歳となってアトランタに向かう直前の彼女には、
日本中の期待がかかっていた。
「今度こそ金メダルを!」という日本中の声。
そう思えばこのときが、オリンピックへの
最初のプレッシャーだったのかもしれない。

イベントステージでのトーク内容を確認するために、
私と司会者は、彼女の控室で打ち合わせをした。
彼女は、全身から光が溢れていて、
素顔のままでも、キラキラと光っていた。
オーラ、というのはこういうことをいうのだろう。

そして彼女は、静かにおだやかに、
日本中の皆さんの期待に応えたい。
それは、私がしなくてはいけないことだと思っている、と
笑顔で話してくれた。

そして、そのとき彼女は何気なくこう言った。
「神様は、乗り超えられない人には試練を与えない、
 と、私は恩師に言われたことがあります。
 だから、この試練を、私はきっと乗り越えられる。
 これは、きっと私だけが味わえる、
 最高の試練なんだと思う・・・」と言ったのだ。

もっといろんな話題があって、
この言葉のことは、ステージでは話すことはなかった。
でも、このときから、この言葉は私の心に刻まれた。
何かツライことがあったとき、
そうだ、これは私が乗り越えられる試練なんだ。
そう思うようにしている。

しかしアトランタでは、北朝鮮の選手に決勝で敗れ、
またも銀メダル・・・。
そして、シドニーでついに金!
続いて、アテネでは、谷でも金!となったのだ。

今回「銅メダル」を手にした彼女には笑顔はなかった。
準決勝に敗れた後の3位決定戦では、
きっちりと一本勝ちをしたけれど、
やはり自分では納得できなかったのかもしれない。

きょうのインタビューでは、
まだ 「次」を見据える精神力を残しているようにもみえたが
一番したいことは、と聞かれると
「高熱を出している息子を早く日本に連れて帰りたい」
と言っていた。

母として妻としての日々を大切にしつつ、
ここまで来た彼女の試練はどれほどのものだったのだろう。
でもきっと彼女は、
「この試練は、ママでもオリンピックに行けるという、
 自分だけに与えられた試練」と思っていたことだろう。

まっすぐで強い人。
谷亮子選手。
5度のオリンピックに出場し、
皮肉にもすべての色のメダルを持つこととなった。
今回、メダルの色は、目指したものではなかっただろうけど、
彼女に与えられた試練は立派に乗り越えたと思う。
夫の巨人の谷選手の言葉もとても素敵なものだった。

そして、「次」の試練に向かってきっとまた立ち上がることだろう。
それが次のオリンピックを目指すことでも、
たとえ引退という形であっても、
日本中の人たちが納得すると思う・・・。
これからも彼女は彼女の試練をまっすぐに受け止めて
精一杯生きていきことだろう。
こんな素敵な人に、たった一度だけでも逢えたなんて、
私は本当に幸せものだ。
私も私なりの試練を乗り越えて、まっすぐに生きていこう。

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コメント

モモ花さんからリンクしてきました。折々拝見しています。
扁桃腺の予後、けっしてご無理なきように。ご存知でしょうが、腎炎、心筋炎など併発することがあります。そういう例を身近に見てきましたので・・・。お大事に、完全に治癒してからのご活躍を祈ります。

投稿: 遊 | 2008年8月11日 (月) 10時37分

 与えられた試練を読み、感銘を受けました。谷は立派だが、話を受止め、これを生かしている貴女も立派。文春の某社長の、「この仕事には、良く伸びるアンテナと感度の良い受信機が必要」という話を、思い出しました。私も半世紀近くも前に「しがない編集者」で、井泉水、秋桜子、万太郎、破郷、湘子など、原稿を頂きにお邪魔してます。
 当時、俳句のはの字もやってませんでした。「後期高齢者」になった今思うと、大変な先輩との大変な出逢いだったわけです。
私の人生には、どうも「猫に小判」だったようです。

投稿: 杉並のイチロウ | 2008年8月11日 (月) 11時37分

>遊さん
 こんばんは。
 コメントありがとうございます。
 体調はほぼ回復しました。(時々咳がでますが・・・)
 声も随分でるようになりました。
 しばらくは仕事もないので、ゆっくりと体調を整えます。

>杉並のイチロウさん
 コメントありがとうございます。
 私はただただオーラのある人から、
 この上なく素敵な言葉を聴いて、本当に感動したまでです。
 「しがない編集者」では、こんな立派な俳人たち
 (井泉水、秋桜子、万太郎、破郷、湘子など)に原稿を
 頂きにお邪魔でいないでしょう。
 しっかりとお仕事をされていたことと思います。
 私もこれからもいろんな方々にいい刺激を受けながら
 仕事を続けていきたいと思います。

投稿: かつこ | 2008年8月11日 (月) 23時56分

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